特集社会

日本は「単身世帯社会」に入った

いま最も多い世帯の形は「一人暮らし」。2050年には全世帯の44%を超える見込みだ。

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2020年の国勢調査で、単独世帯は2,115万世帯、一般世帯の38.1%になった。2005年にはほぼ並んでいた「夫婦と子供」の世帯を大きく引き離している。国の推計では2050年に44.3%。数字と、そこから読めることを分けて整理する。

要点

  1. 2020年、単独世帯は2,115万世帯。一般世帯の38.1%を占め、最も多い世帯の形になっている。
  2. 2005年には「夫婦と子供」(29.8%)と単独(29.5%)はほぼ同じ割合だった。15年で差は13ポイントに開いた。
  3. 国の推計では、単独世帯の割合は2050年に44.3%。平均世帯人員は2033年に初めて2人を割る。
  4. 増えるのは高齢の一人暮らし。65歳以上男性の独居率は16.4%から26.1%へ上がる見込みだ。
  5. 家族を単位に設計された住まい・商品・制度は、「個人」を単位に見直す時期に来ている(編集部の見方)。

数字で見る

38.1%

一般世帯に占める単独世帯の割合

2020年 国勢調査

2,115万

単独世帯の数

2015年から14.8%増

2.21人

1世帯あたりの人数

2015年は2.33人

一般世帯に占める単独世帯の割合
  1. 2005年29.5%
  2. 2010年32.4%
  3. 2015年34.6%
  4. 2020年38.1%
  5. 2050年(推計)44.3%

2005〜2020年は国勢調査(家族類型別)。2050年は国立社会保障・人口問題研究所の2024年推計(斜線)。2020年の値は国勢調査では38.1%、推計の基準値では38.0%。2020年と2050年の間は30年あいている点に注意。

15年で「多数派」が入れ替わった

事実

2005年、一般世帯のうち「夫婦と子供から成る世帯」は29.8%、単独世帯は29.5%で、ほぼ並んでいた。2020年には前者が25.1%に下がり、単独世帯は38.1%に上がった。2015年から2020年の5年間だけで、単独世帯は273万世帯増えている。

2005年

  • 夫婦と子供:29.8%
  • 単独:29.5%
  • 夫婦のみ:19.6%
  • ひとり親と子供:8.3%

2020年

  • 単独:38.1%
  • 夫婦と子供:25.1%
  • 夫婦のみ:20.1%
  • ひとり親と子供:9.0%

一人暮らしは、若い世代だけの話ではない

事実

2020年、一人暮らしをしている65歳以上の人は約672万人。65歳以上人口の19.0%、およそ5人に1人にあたる(男性15.0%、女性22.1%)。2005年の15.1%から上がり続けている。

国の推計では、この傾向はさらに進む。特に変化が大きいのは男性だ。

26.1%

65歳以上男性の独居率(2050年推計)

2020年は16.4%

29.3%

65歳以上女性の独居率(2050年推計)

2020年は23.6%

59.7%

高齢単独世帯の男性に占める未婚者(2050年推計)

2020年は33.7%

世帯の数そのものは、2030年がピーク

事実

推計では、世帯総数は2020年の5,570万から増え、2030年の5,773万でピークを迎える。その後は減少に転じ、2050年には5,261万になる。2020年より数が増えるのは単独世帯だけで、それも2036年の2,453万をピークに減っていく。

人口が減っても、世帯が細かく分かれることで世帯数はしばらく増える。そして2030年代に入ると、世帯数も減り始める。日本はいま、その折り返し地点の手前にいる。

ここから読めること

見方

「標準的な家族」は、もう標準ではない。 夫婦と子供の世帯は全体の4分の1になった。住宅の間取り、食品の容量、保険や家計の「モデルケース」が、いまも家族を前提にしているなら、それは多数派の暮らしからずれ始めている。

小さな単位の需要は、一時的な流行ではない。 一人分の量、小さな住まい、長く使えて修理できる道具。こうした需要は世帯構造に裏づけられている。

「ひとり」と「孤立」は同じではない。 一人暮らしそのものを問題とみなす必要はない。課題になるのは、近親者のいない高齢の単身世帯が増えることへの備えだ。見守り、住まいの確保、手続きの代行など、これまで家族が担ってきた役割を誰が担うのか。

単身世帯は「例外」ではなく、日本でいちばん多い暮らし方だ。設計の単位を「家族」から「個人」へ移す時期に来ている。

読むときの注意

  • 国勢調査の単独世帯の割合は、世帯人員別の集計では38.0%、家族類型別の集計では38.1%と示されている(家族類型「不詳」の扱いの違い)。このノートでは時系列をそろえるため家族類型別の値を使った。
  • 将来推計は「予言」ではない。出生・死亡・移動・結婚行動などに一定の仮定を置いた計算結果で、仮定が変われば結果も変わる。
  • このノートは、一人暮らしの増加を良い・悪いと評価するものではない。

出典・参考資料

  1. 総務省統計局「令和2年国勢調査 人口等基本集計 結果の概要」(2021年) stat.go.jp(PDF)
  2. 総務省統計局「令和2年国勢調査 調査の結果」 stat.go.jp
  3. 国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)令和6(2024)年推計」プレスリリース(2024年4月12日) ipss.go.jp(PDF)
  4. 同 推計結果ページ ipss.go.jp
  • 国勢調査
  • 世帯構造
  • 単身世帯
  • 高齢化
  • 社人研推計

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